自酔論

お酒と雑記

【尼崎】カッチャン

 

 

3月1日、高校を卒業して都市部に進学や就職をする同級生たちが故郷を離れるのを惜しがりどうにか思い出を作ろうと毎日のように遊んでいたのを尻目にたった二日で私は地元を出た。「またな」となんとも軽い言葉を親と妹に残して。それほど地元が嫌いだった。一秒でも早く都会に出たい。そんな一心で汽車に乗り込み、涙も特に出なかった。(妹はめっちゃ泣いてた)

 

と言うのも当時大流行していたmixiで、地元には無い服屋やファッションや文化、2時間半かけて名古屋に出ないと買えない雑貨を目の当たりにし、希望に胸を躍らせていたからだ。思えば本当に田舎者丸出しの思考だったのだけれど。

 

関西に出て来てからは毎週と言わず毎日のように大阪や神戸に繰り出した。奇抜な髪色にしたり、奇抜な恰好をしても何も言われない。関西でできた友達とプリクラを撮ったり、花見をしたり、朝までカラオケをしても体力が続く限り遊んで帰って来ても誰にも怒られない。憧れだったアーティストのライブにも電車で何百円で行ける。(交通費だけね)楽しくて楽しくて仕方なかった。楽しくて死ぬのではないかとすら思った。

 

お酒もたばこも始め、田舎者が典型的な堕落を続けた結果、立派な酒飲みが誕生した。

 

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最寄り駅から職場に向かう際、電車の窓から見えるいかにも古そうなビルがあり、やっとこさ行ってきた。が、時間の使い方がド下手くそなことに定評のある私なので行動時間が早すぎてテナントに入っていた店はどこも開店前。が、ここでくじける私ではない。ビルの裏側に回ってみたところ、希望の灯りが点いていた。

 

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笑顔の可愛い私と同じくらいか少し小さめなお母さんと、人の良さそうな息子さんが二人で営んでいるお店「カッチャン」。

 

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めちゃくちゃ良心的なお値段ばかりな料理。元は串カツ屋さんだったそうだが、廃業するということで先代の店主がそのまま居酒屋を始めたそうだ。

 

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本日のおすすめということでさわらのみそ漬け焼きを注文。撮り方が下手くそすぎて美味しさが微塵も伝わらなさそうだが、みその味が効いていてとても美味しかった。

 

今では芋焼酎ソーダ割か酎ハイしか飲まない私だが、関西に来たての頃は驚くほど下戸で、カシスオレンジ1杯でほろ酔いになり、ジントニックで既にできあがるくらいで、酷いときは戻すレベルであった。まあ、父親も泥酔して電柱にケンカを売るような人なので血は争えないわけなんだけども。

 

関西に出てきて、紆余曲折あり、こんな酒飲みになってしまったが、30を目前にして好むお酒は父親の好きな焼酎だし、好むお店は実家の近所にあるような味のあるところばかりだし、地元でよく食べていたみそ味のものが好きだし、結局嫌い嫌いと言いながら体と心に沁みついているわけで。今では帰省しても良いお店を見つけようと散策したりしている。地元に都会以上に楽しいものやことがあるわけないなんて決めつけていただけなんだけど、それは都会に出てきたからわかることであって、それはそれで後悔はしていない。いつでも盲目になるのは良くないなと思う今日この頃でありました。

 

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カッチャン

兵庫県尼崎市長洲西通1-1-9

【営業時間】(多分)17:00~

【定休日】不明