自酔論

お酒と雑記

【西淀川】家庭料理 福

 

 

妊娠したため、禁酒生活も早9か月。悪阻が比較的酷くなかった私にとってはそろそろ手が震えてくるのではないかと思うくらいの期間酒を飲んでいない。

僧侶のような聖母のような気持ちでお腹の中の子を愛でる日々の中、母の頭の中は黒霧島鍛高譚、ギンギンに冷えたレモンチューハイジョッキでいっぱいである。

私と言えば酒でしょ?と言われるくらいの仲(?)であるこの“酒”というものだが、思い返してみると奇異なものであった。と言うのもこれを言うと大抵驚かれるのだが、昔の私はカシオレで吐くほどの下戸であった。まじで。
※下戸: お酒があまり飲めない人

“酔う”という感覚が楽しすぎて、大学一年生の時に自宅の近くの公園で酔っぱらったままだるまさんころんだをし、気持ち悪くなるたび自宅に吐きに行っていたのは今では良い思い出である。

しかも、親が教職のため、ハタチまで飲んではならないという無言の圧というか空気を感じ取り、関西に出てくるまでまともに酒を口にしたことが無かった。むしろ父の酒とタバコが入り混じったニオイがめちゃくちゃ苦手だった。

 

-----

周囲には小学校と老人ホームという閑静な場所に個人情報駄々洩れの看板がぽつり。


表にはこれでもかと「福」!縁起良さそうでしょ。そして何度も言うが、私は入りにくい飲み屋が大好きなので、逆飛んで火にいる夏の虫の如く飛び込んだ。


元お寿司屋さんを改装した店構えのこちら。刺身も入ってるけど、美味しそうな家庭料理が並んでいる。

 


きちんと着物を着て、割烹着を纏うママが一人で営んでいる。料理はその日によって違い、値段は書いていないがびっくりするほどのお会計が出てきたことは無い。(ただし飲みすぎた日は例外)

 


食べている途中で撮ったのはご愛嬌。唐揚げと白和えとご飯。酒が飲めないので最近は夕飯だけ食べに行っている。

書くと飲みたくなるので書きたくないが、お酒は生ビール、焼酎、ハイボール、チューハイ、日本酒など大抵ある。カラオケも歌える。

とりあえず料理上手なママが作るご飯が美味すぎて白飯を3杯食べたことがある。やよい軒か?

-----

初めて“飲み屋”というところに行ったのは、中2の時に父に連れて行かれたペガサスと言う名のスナックだった。喉に砂でも入ってるのかというくらい声がガッサガサのママがいる薄暗い照明と、何が美味しいかもわからない味の酒を飲んでいる父の姿を覚えている。

あんなに嫌いだった酒とタバコを始めたと聞いた時の母親はひどく悲しんでいた(らしい)。もうすぐ私も母になるが、同じ気持ちを抱くのだろうか。

ただ言えるのは、酒のおかげで繋がった縁もあるし、もらった仕事もある。酒は私にとってただの嗜好品ではなくツールだったのだと今では思う。

二日酔いと無縁の日々を送る今であるが、いつか娘とも酒を酌み交わせる日が来るのを楽しみにしているし、とりあえず何をどのくらい飲んだらどうなるみたいなことは、娘がハタチになる前にちゃんと教えておこうと思うのであった。

 

-----

 

家庭料理 福

大阪府大阪市西淀川区福町2丁目5-29
☎070-6687-0994

【営業時間】17:00~23:00(L.O.22:30)

【定休日】日・月曜日